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2008年8月スタート。同人的な表現が時々ありますので、苦手な方はご遠慮下さい。
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クルの少佐時代でガルクルSS。
ショートショートなので、ブログに。




タイトル
「ジェラシー」



「何するんだ!紫」
狭いラボの通路をすれ違いざまに
魅力的なヒップを軽く撫でたら、勢いよく殴られた。
「べつに少しぐらい触ってもいいでしょう」
と赤くなった頬を押さえながら言うと、
「いいわけないだろう」
とメガネの奥の瞳が睨みつける。
そう言えば、新しい彼氏が中佐だったなと思い、
「触っていいのは佐官以上とか決まりがあるんですか?」
と揶揄してみた。


「ずっと軍人はお嫌いなのかと思っていました」
長くもって数カ月のクルル少佐がつき合ってきた人たちを思い出す。
とにかく有名人ばかりだったが、全て民間人。
それなのに…。

おととい軍の倉庫の影で口づけする2人を見た。
相手は名門出のエリート佐官だった。

「お前、36番倉庫にいた俺たちを見たのか?」
「たまたまですけどね。
つき合っているんでしょう、あのエリート佐官と?」
嫉妬している自分を自覚する。
これまで少佐は新しく出来た恋人をたびたび紹介してくれたが、
民間人と自分たち軍人は生きる世界が違うとわかっているから、
嫉妬のような感情を特別に抱くことはなかった。

黄色の腕をとって体を引き寄せ、口づける。
慌てて顔を背けようとするクルル少佐の顎を持ち上げ、
より深く口づけしようとしたら思いっきり噛みつかれた。
「いいかげんにしろ、ガルル。
俺が誰とつき合おうが、おまえには関係ない」
「…」
言いたいことは山のようにあったが、
黙ってクルル少佐の次の言葉を待った。
舌が切れていて、血のにおいが口の中に広がる。

しばらくの沈黙のあと、
クルル少佐は「ククク」といつもの笑い声を上げる。
「お前、俺のことが好きなのか?」
「…」
「そのチャレンジ精神は褒めてやるぜ。せいぜい頑張れ」
そう言って、歩いていつものメインモニター前の席へ戻る後ろ姿を見送りながら、
ひたすら傍観者だった昨日までの自分の立場を捨て去るように
「私は宇宙一、クルル少佐を愛してますよ」とその後ろ姿に告げる。

まるで宣戦布告のような告白だなと
自分自身に呆れながら、
今すぐに返事が欲しい訳でもない俺は
自分のデスクへと座り、
いつものように溜っている仕事を片付けることにした。



エンド

長くなり過ぎました。
ガルクルの青い春な感じで。


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